リネージュ2 RMTミゲルの報告に動揺したナルセルの腕から、瞬間的に力が抜けた。アイリーンはその隙を逃さずに攻撃した。ナルセルの胸から
血が噴き出した。その光景を目の当たりにしたミゲルは、慌ててナルセルを治癒した。呪文を唱え終えた次の瞬間、女エルフの
顔が目の前に迫っていた。青い刃がギラついた。ミゲルは杖を下ろす間もなくその攻撃を受けざるを得なかった。ミゲルは両手
で杖を構え、最初の攻撃を防いだ。戦いにおいて魔術師は真っ先に始末するのが鉄則であり、それはアイリーンにとっても例外
ではなかった。アイリーンの剣先は、その冷ややかな美貌に見合うほど非情だった。ミゲルの杖に傷ができ、小さな火花が散っ
た。ミゲルはその力を受け止めた瞬間、手首が折れそうな痛みを感じた。アイリーンの剣はまるで雲ひとつ無い夜空の三日月の
ように殺気を漂わせながらミゲルの命を欲していた。アイリーンの動きは素早く、ミゲルは彼女の動きを目では捉えつつも止め
ることまではできなかった。ミゲルは手も足も出せないまま、血を湛えた銀色の刃が自分の心臓を狙っている光景を、夢の中で
の出来事のように見守っていた。両陣営の指揮官がそれぞれの兵士たちを励ました。ゴダード城のガーディアンタワーは2箇所。
その塔を守りきるか倒すかによってこの戦いの勝敗が決まると言っても過言ではない。