リネージュ2
RMTが彼の手先で絶えず鮮血を振りまく。エリカが隠れて見ている間、エルフはすでに6人を倒 は後から彼を狙っていた弓兵だった。弓を精一杯引いた瞬間、エリカは見た。弓兵の首が急に折れて、矢は
全然違う方向に飛んでいってしまったのだ。弓兵の頭を飛ばしたのは、拳の大きさほどの光輝く物体だった。
輝く物体はエルフに戻ると、まるで次の標的を指示してくれというかのように浮かんでいた。
エルフは一切れの同情心もこもってない鋭い目つきで犠牲者を見下ろした。その視線が一瞬、霧の中に身を
隠していたエリカの方に向けられた。エリカはエルフの無表情な顔が、時に怒ったダークエルフやオークよ
りも恐ろしいという事が分かった。
エルフは二本の剣を構えたまま呟いた。ゆっくりと息を吐くと、彼の身からかすかにオーラが走った。まる
で強い香りが漂う花に虫が集まって来るかのように、傭兵たちが武器を持ってエルフに近付いた。仲間の残
酷な死が何の警告にもならなかったのか、傭兵たちはかすかな笑みさえ浮かべていた。
エリカは自分がしていたことに気付いた。なぜか自分も身を隠していた霧の中から出てエルフに向かって歩い
ていた。手に持っていたダガーがあまりにもみすぼらしい武器のように思われた。
エルフの戦いが再び始まった。傭兵たちは再びエルフの二本の剣で命を失った。エリカはエルフから顔をそら
すように努力した。
彼女が目を向けた先ではデストロイヤー、シャークドーンが小さいハンマーを持ってエルフに飛びかかろうと
するドワーフを蹴飛ばし、湖に投げ込んでいた。シャークドーンはその後両手のジャマダルを誇示するかのよ
うに広げて、エルフに向けて躊躇なく近づいていった。
エリカは最初、シャークドーンまでもがエルフの変なスキルに引っかかったのではないかと心配したが、冷静
にもオークがジャマダルを逆に持ち、傭兵たちを追い出しているのを見てため息をついた。彼は荒っぽく、仲
間たちを湖の岩の上に転がした。