アトランティカ RMTこのレベルで戦車戦をシミュレートした多人数参加型
投稿日時:2013年07月08日アトランティカ RMT装甲一つとっても,当たり所で影響は変わってくる。例えば,スペックシートに「車体の前面装甲80mm」とあったとしても,機銃口やドライバー用の覗き窓といった「装甲が薄い場所」に砲弾が命中すれば簡単に攻撃が貫通するし,仕組み上,当然装甲が80mm以上の防御力を持つ部分があったりもする。攻撃時はFPS視点に切り替えての砲撃も可能なので,敵の弱点を知っているかどうかによって結果に大きな差が出るのだ。つまり,反射神経だけではなく,それぞれの戦車に対する知識も重要になってくる。
WoTは,「オンリーワンの魅力」が光る作品だ。このレベルで戦車戦をシミュレートした多人数参加型のオンラインゲームは,世界広しといえどもWoTしかない。だがWoTが突出しているのは,それだけではない。
まず言っておきたいのは,WoTは必ずしも「遊んでいて不愉快なことがまったくない,愉快痛快なゲーム」ではないということだ。むしろ現実の戦車戦がそうであるように,ときに苦しく,ときに忍耐を求められ,ときに激しい無力感に襲われる。誰から攻撃されたのかも分からずに一発で撃破されることなどザラで,砲弾を命中させたのに敵戦車の装甲に弾かれて逆にやられるということも普通に起こる。フレンドリーファイア(同士討ち)は当然のごとくオンで,しかもゲームの基本がリスポーンなしのチームデスマッチなので,撃破されたらそこまで。そりゃ現実の戦車戦よりはゆるいだろうが,WoTの「現実」はかくも厳しい。
だがその厳しさは当然,自分だけが被るものではないし,状況が困難であるからこそ,工夫のしがいがある。工夫がうまくいかなかったときはその理由を考え,トライアンドエラーを繰り返すことで,撃破されるより撃破することが確実に増えていく。何をしていいのか分からない状況から,何をすればいいのかが見えるようになり,できなかったことが,できるようになる。
もちろん,戦場の常として,ときに理不尽な敗北はある(逆に,自分はまるで活躍できていないのに,チームは圧勝してしまったりすることもある)。WoTには結構な割合でランダム要素が絡んでくるので,自車が放った必殺の一撃が敵戦車の薄い装甲の上を滑り,敵が何気なく撃った一発がこちらの弾薬庫を直撃して爆発四散ということもあり得る。技術を積んだうえでの運の要素。このバランスの妙こそが,WoTの面白さを生み出しているのだ。