アーキエイジ RMT同歌劇は，カプコンの人気タイトル「戦国BASARA」シリーズをモチーフにしたもの。戦国BASARAシリーズは過去に何度か舞台化されているが，宝塚歌劇によるミュージカル化は今回が初となる。本稿では，公演に先駆けて2013年6月14日に行われたゲネプロ（初日公演直前の通し稽古）の模様をレポートしよう。
本劇は，武田軍の“若虎”こと真田幸村にスポットを当てた内容だ。情熱的で忠誠心が強い幸村は，“甲斐の虎”武田信玄から厚く信頼されており，とくに合戦においては二本槍を自在に操る圧倒的な力で，武田軍の攻撃の要として活躍していた。
一方，本劇のヒロインであるいのりは，かつて幸村に危ういところを助けられて以来，甲斐の国に身を寄せているという女性。いのりは幸村に密かな想いを寄せており，戦に赴く彼の身を常に案じている。
そして武田軍と相対する“軍神”上杉謙信もまた，自身のライバルである信玄が一目置いているという幸村の動向に，少なからずの関心を寄せている。
ストーリーは，幸村の抱く“夢”がキーとなっており，自問自答し，周囲の助けを得ながら成長していく彼の姿が描かれている。また幸村と謙信以外にも，伊達政宗，猿飛佐助，“うつくしきつるぎ”かすが，直江兼続といった登場人物が，宝塚アレンジを施された華やかな姿と演技，そしてゲームでお馴染みのネタを次々に披露するので，「戦国BASARA」シリーズのファンなら，かなり楽しめるはずだ。
ゲネプロ上演後の囲み取材では，「戦国BASARA」シリーズのプロデューサーを務めるカプコンの小林裕幸氏が，「戦国を舞台にしつつも，歌と踊りを加えた華のある仕上がりで『戦国BASARA』ならではの宝塚歌劇とのコラボレーションがしっかりできています」とコメント。さらに演技や役作りに関しても，ゲームのキャラクターをよく研究していると，出演者達に賛辞を送っていた。
また劇中では，ゲームにある謙信とかすがの“薔薇”のシーンを再現しているのだが，小林氏は「宝塚を意識した演出だったのですが，まさか本物に演じていただけるとは……」と喜びを表していた。