ハンゲーム渾身のMMORPG「TERA The Exiled Realm of Arborea」のクローズドβテスト(CBT)が,7月1日から4日にかけて実施中だ。
TERA RMTは,4Gamerの“注目タイトルランキング”で7月2日現在首位を独走中で,記事を出すたびに高いPVを叩き出している。とはいえ経験則上,
それはあくまでも「実際に世に出るまで」の期待感からくるものであることも多く,すなわちそれをもってTERAが最高傑作であることにはならない。
そういう意味でも,このCBTは注目すべきターニングポイントたり得るイベントであるわけだ。大勢のプレイヤー達が初めて直接TERAに触れたであろう
CBTの初日は,どのような反響を持って受け止められたのか。筆者の雑感などを交えつつ,ここにつらつらと記してみよう。
……記してみようと言いつつ初っぱなからネガティブで恐縮だが,CBTの初日である7月1日の17:00からしばらくの間は,サーバートラブルによる緊急メンテナンスの連続であった。
昨今のオンラインゲーム業界では「CBT=プロモーション」くらいが当たり前であるように認知されており,TERAだってそもそも韓国ではすでに動いて
いる作品なわけで,そういう意味においても,正直筆者も今回のCBTは「プロモの一環」だと構えていたことは否めない。まぁ,仮に何かあったとしても,こ
れはやっぱり“テスト”である。トラブルはつきものであり,個人的には「やっぱりこうでなくっちゃね!」(不謹慎だけど)くらいに,悠長に構えていたわけ
だ。
……ところが,このサーバートラブルたるや,なかなか終わらない。18:00を過ぎても断続的にメンテナンスが発生し,しかも公式サイトでの告知もまま
ならない状況を見るにつれ,次第に不安と不満も。運よくログインできたとしても,戦闘はおろか,UIの開閉すらラグを感じてしまうという状況。今回の
CBTは,TERA公認ネットカフェでのキャンペーンも行っており,その点でも少々不安であった。
しかし,そういったトラブルも時間が経つにつれ減ってきて,20:00を過ぎたあたりから普通にログインでき,快適にプレイできる環境になった。サー
バーの数も次々に増設され,当初の1基から,最終的には4基まで増やされた。テストということではあろうが,最初に用意したサーバー数が“1”というのを
知った時点で,いろいろと覚悟はしていたのだが……。
20:00を過ぎたあたりで,この様子ならきっと良い結果を出しているだろうと思って,TERAの潮田プロデューサーにCBT初日の様子を尋ねたみたと
ころ,なんと同時接続者数が「1万人を遙かに超える数字」だったとのこと。これは凄い。過去のMMORPGのクローズドβテストを振り返っても,いきなり
初日に同接数1万を遙かに超える作品は,そうそうなかったはず。
快適にプレイできるようになって強く印象に残ったのは,TERAのフリーターゲティングシステムの手応えである。例えば,ウォーリアーの「回避」,ラン
サーの「スタンドファスト」,バーサーカーの「ウェポンディフェンス」など,敵の動きを目で見て防いだ瞬間がたまらなく面白い。序盤のエリアは難度が控え
めになっており,そういったテクニカルな操作は必須ではないものの,やはりTERAは,“敵をターゲットして攻撃やスキルを発動させる”MMORPGと
は,本質的に異なる。
TERAの開発元であるBluehole
Studioは,これらのレスポンスに納得がいかないというのが主な理由で,一度は韓国でβテストまで進めたサービススケジュールを最初から仕切り直して
いる。我々の目に見えないところで苦労があったのは想像に難くないだろう。そういったこともあり,CBTで参加者らがオープンチャットで,フリーターゲ
ティング部分に関して楽しげに雑談している様子は,なぜだか分からないけど個人的にもちょっと嬉しくなってきた。
オープンチャットでの反響でもう一つ目立っていたのは,グラフィックスの美しさについてである。単純に絵面が綺麗なタイトルなら見慣れているかもしれな
いが,モーションも含めた総合的なグラフィックスに対しての高い評価を多く目にした。例えば,両手武器の構えや振りはとても重たそうに見えるし,指先にま
でこだわった動きや,魅力的な女性キャラクターなどがそれにあたる。事前情報をきっちり調べていたような熱心な参加者にとっても,実際に動かしたときのイ
ンパクトは相当なものだったように見える。
テスター達の反響を眺めていてもう一つ興味深かったのは,実質的にオープンチャットとして多く用いられているのが「パーティー募集」チャンネルであった
こと。ほかのMMOの風習を持ち込んでいるのだと思われるが,TERAのオープンチャットの場合は,本来「領内チャット」が適切のような気もする。現在は
プレイヤー間に“領”の概念がまだ浸透しておらず,こういった認識も今後少しずつ変わっていくのかもしれない。
βテストというものは,サービスという意味ではまだ未完成の状態である。それが今後,どのようなプロセスで正式サービスに向かっていくのか。そういった部分を一緒に追い続けていくのも,CBTの大きな醍醐味の一つだと思っている。
先にサービスが行われている韓国とは異なる国で,TERAがどのように成長していくのか,実に楽しみでならない。
TERA RMTのCBTは,開始直後こそかなりトラブったものの,現状ではまずまず快適にプレイできる環境になっている。開始直後のサーバートラブルを見てげ
んなりした人も,もう一度ログインしてみるべきだろう。少なくとも,CBTアカウント所持者は参加してきっと損はないし,もしアカウントがなくても,ネッ
トカフェに足を運ぶ価値はあるだろう。今後TERA RMTのCBTは,7月3日と4日に,それぞれ“16時~23時”のスケジュールで実施される予定だ。
RMT