アラド戦記
RMTおまえは無駄な考えで一生悩んでいる変わり者だよ。もしかするとそれがおまえの魅力かもしれないがね。美しきもの…
それこそが本当の聖なるものです。あなたはもっと聖なる者になる必要がありそうですね。おまえが私の聖なることを論
ずるのか。おまえのやり方じゃ一生経っても偽装者一匹も消すことはできないだろうよ。少なくとも我々インファイター
達はそんな無駄なことで悩む者はいない。少なくとも我々は人間達に被害を与える邪悪なものどもを減らしているという
話だ。邪悪なものは全滅させるべきだ。例えそれが自分の家族であってもな。自分の主張を曲げることのない二人の若者
を見ながらメイガが言いを渡した。さあ…やめないか二人とも。皆自分のやり方で聖なることを行っていくことを…。
申し訳ございません。大主教様。しかし、私を含めた元老プリースト達からは、そなたとインファイター達が追求してい
る方法はすこし危険なように見えるのも事実だ。自分の身体を鍛え強くする姿勢は良いのだが、他の生命体を倒して、そ
こで感じられる快感に溺れてはいけない。それは神様の下さった試練だということを忘れてはならん。』 『し…しかし、
ああいうもの達を生命体と認めるわけには…!!
そうではない。神様がお創りになったものは神秘的なもの。そこに何の美があるか人間の短絡すぎる考えで判断しようとし
てはいけない。そこには必ず何か理由があるはずだ。
確かにそうであります。それは世の中に私みたいな人間が必要だということを教えてくれる美があります。人間達に害悪を
与える凶悪なものを消す聖なる使命を抱いて生きている人間のことを!』
ふむ…そなたのやり方が危険なように見えるとしてもそなた達のやり方を理解できない訳ではない。これもまた、神様がお
創りになったものであれば受け入れるしかないであろう。テイダはもう話を続けないまま静かに立っていた。