ふと視野が赤く変わった。すでに乾いている髪の毛の間から新しい血が流れ始めたのだ。ルエリンが反射的に手を伸ばして、治癒の呪文をとなえ
ようとした。リオナは彼女を止めた。
リネージュ2 RMTリオナの後ろには周りには彼女よりずっとひどい傷を負った兵士らも多かった。そしてルエリンの魔力もすでに底をついてい
たからだった。ルエリンは本来君主であるリオナのために魔力を惜しまなければならなかったはずだ。しかしリオナ本人の負傷よりも、二人を守
っていた周辺の兵士らの負傷を見ない振りするというのは、治癒者としてはあまりにもつらい事だった。リオナは途方に暮れているルエリンに負
傷者の治療を命令し、彼女の負担をへらした。廊下の角の向こうから聞こえてきた刃のぶつかる音が急に止まった。そして騒がしい足音が聞こえ
てくる。リオナは彼女の軍刀を持ち上げた。兵士たちが彼女より先に出て防御線を作った。一番目の敵兵が角を曲がって姿を見せた瞬間、少女君
主の叫びにより戦闘が始まった。初めに姿を見せた敵の兵士は10個も超えるスピアーによりその場で命を失った。次、そしてまた次の兵士も…守
備兵たちは精一杯戦って、一歩も引かなかった。少なくともグレイブを持った巨体のオークが周りの兵士らを押しのけながら登場するまではそう
だった。グレイブは振り回す武器である。腕のいい者が使えば多数の敵を相手にするのに有利だが、リオナはこんな狭い廊下でそれを選んだのは、
相手の計算ミスだと思った。リオナ本人も今は愛用のスピアー、スコーピオンを置いて剣を握っているから。
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